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酢の香り

シャワーから上がるとスマートフォンにLINEがきていた。送信先は美沙からだった。別れて2年、いや3年は経ってるだろう。開封してみた。

「久しぶり。元気?お寿司食べに行かない?」

寿司に目がない美沙らしい誘いだった。

でも、今更どうしたんだろう。美沙とはしばらく付き合っていたが武司のだらしなさが原因で別れた。以降、連絡も取っていない。

あの頃は、よく寿司を食いに行った。回転寿司しか知らない美沙にとって回らない寿司屋は知らないことのオンパレード。寿司屋の三男坊に生まれた武司は父親に教えられた寿司の雑学が頭の中に詰まっていた。

ネタの旬、ガリの由来、どうして寿司屋の湯呑みが大きいのか、江戸前の意味、立ち食いのワケ、寿司の食べ方、助六の話、寿司の歴史。

寿司屋になってもよかったのだが、店は長男が継ぐと言ったので普通に大学に行き、勤め人になった。

美沙はそんな話に時には目を丸して、時には感心して寿司を食べていた。好物のネタを食べて静かに微笑む横顔がたまらなく可愛かった。

そういえば、美沙と別れてからあまり寿司屋に行かなくなった。実家にも立ち寄らなくなった。

なぜだろう。

多分、飯の香りを嗅ぐと美沙を思い出すからだった。

未練があるわけじゃない、未だ好きという訳でもない。

また、付き合ってもいいけど、自分のだらしなさでまた同じ事の繰り返しになるだろう。

そろそろ、桜の咲く頃だ。

花見にでも行きながら、今度は何の話をしてやろうか。

そんなことを思いながら、LINEの返信を戸惑っていた。

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