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酢の香りⅡ

部屋に帰るとベッドに倒れ込んだ。

2軒目に誘われたけど、その気になれず断った。

洒落たイタリアン、インスタ映えしそうなカフェ。

悪くはないけど、美沙にはどうもピンとこなかった。

「あぁ、美味しいお寿司が食べたい」

食べることが大好きな美沙を食事に誘う男は多いが、寿司屋をチョイスする輩はほとんどいない。

そんな時、武司をいつも思い出す。

別れてから2、3年は経つのだが、美沙に寿司の美味さを教えたのは武司だった。

回転寿司しか知らない美沙にとって目から鱗の話ばかりだった。

ネタの旬、ガリの由来、どうして寿司屋の湯呑みが大きいのか、江戸前の意味、立ち食いのワケ、寿司の食べ方、助六の話、寿司の歴史。

寿司屋の倅の武司には寿司屋の雑学が詰まっていた。そして何より、美味い寿司屋を見抜くのが素晴らしかった。

酒を頼み、つまみをオーダーする。そして頃合いを見て握りを頼む。おまかせが主体の近頃の店ではなく、昔ながらの寿司屋に行く事が多かった。

決して、美男子ではないけどカウンターで見る武司の横顔は頼もしかった。

ひとりで寿司屋に行けるようにもなったけど、寿司の香りを嗅ぐと武司のことを思い出す。

「あぁ、美味しいお寿司が食べたい」

久しぶりに武司にLINEをしようか迷っていた。女癖の悪い武司にはいつも苛立ちを覚えていたが、寿司を食べるだけならいいだろう。

美沙はスマートフォンに手をかけた。

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