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中西と根尾

昨夜は数十年ぶりに、酒を断ち、真っ向から野球と向き合う時間を過ごした。一球の重み、野手の守備位置、ベンチの呼吸。集中して俯瞰するプロの攻防は、やはり格別の味わいがある。

カード2戦目、横浜DeNA対中日。マウンドには期待のドラ1右腕・中西と、助っ人右腕コックスが上がった。

■ 150キロを計測せずとも「振らせる」根尾の進化

この試合最大のハイライトは、延長戦でマウンドに上がった根尾昂だろう。

特筆すべきは、球速こそ150キロ前後ながら、ベイスターズ打線が明らかなボール球に次々と手を出していた点だ。これはリリースの瞬間まで球筋を隠し、最後まで腕を振り切れている証左に他ならない。打者の体感速度は数字を遥かに凌駕していたはずだ。

待望のプロ初勝利。この白星は、彼が歩んできた苦難の道のりへの報いであり、今後の竜のブルペンを支える大きな転換点となるだろう。

■ ドラ1・中西の「静」と、筒香の「柔」

先発の中西は、実に見事な立ち上がりを見せた。力感に頼らず、低めに丁寧に集める制球力重視のスタイル。

筒香嘉智に浴びた一発は、確かに失策とも言える甘い球だった。しかし、あれは打った筒香の技術を称えるべきだ。低めの沈む球を、力まずにバックスクリーンまで運ぶ「柔」のバッティング。中西にとっては、これぞプロの洗礼という一打だったが、あの一発を浴びてもなお飄々と投げ続けるマウンド捌きに、底知れぬ大器の片鱗を感じた。

■ 采配の妙と、依然として残る「決定力」の課題

対照的に、序盤から制球に苦しんだコックスを早々に見切った相川監督の判断は、捕手出身らしいリスク管理の徹底が窺えた。

試合は終盤、勝ち越しに成功しながらもメヒアが捕まり延長へ。最終回、ベイスターズが細川成也を申告敬遠し、ボスラーで勝負に出た策は、結果として決勝打を許す形となった。これは結果論に過ぎないが、竜の主砲・細川が相手ベンチに与えている威圧感の証明でもある。

しかし、勝負に勝ったとはいえ、相変わらず「あと一本」が出ない打線の繋がりには、今季の苦戦の要因が凝縮されていた。チャンスで畳みかける迫力が備わらなければ、長いシーズンを勝ち抜くのは容易ではない。

■ 総括:耐えて待つ、反撃の刻

松山晋也の復帰は、疲弊するリリーフ陣にとって何よりの劇薬だ。主力に怪我人が目立つ現状、今はいかに現有戦力で「踏ん張るか」が問われている。

苦しい時期は続くが、昨夜の根尾のような新しい力が芽吹き始めているのも事実だ。泥臭く、一歩ずつ。竜の反撃はここからだと信じたい。

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