一目ぼれ
今日は台風で暇だし、久しぶりに競馬の話。
先日、89年のジャパンカップを制したホーリックスが死んだ。
89年のジャパンカップ、3番手から直線抜け出した9番人気ホーリックスを追いかけたのはマイルチャンピオンシップからG1連闘で臨んだオグリキャップ。首差に迫ったその先がゴール板だった。
ホーリックスとオグリにはこんなエピソードがある。ジャパンカップを控える厩舎でオグリは飼葉を食べていた。オグリは食べているときは集中して一切他には目もくれなかったそうだが、そのオグリの馬房の前をホーリックスが通ったとき、オグリは飼葉桶から首を上げじっとホーリックスを見つめた。普段とは違う行動をとったオグリに厩務員さんは驚いたそうだ。ホーリックスは牝馬。オグリは一目ぼれをしたのではないだろうか。そうしてレース当日、オグリは惚れたホーリックスを一心不乱に追いこんだのでは、という話だ。
馬が言葉をしゃべるわけではないのでいささか無理な話ではあると思うが、オグリとホーリックスを交配させたらすごい仔が産まれたんじゃないかと想像している。
昔のイタリアでの話。あるオーナーの持ち馬にシニョリーナという牝馬がいた。オーナーはその馬の競争能力に自信があったそうでイギリスにわたり英オークス2着など期待に違わぬ成績を収めた。そしてさらに期待をこめて繁殖にあげたのだが名だたる種牡馬たちと交配させても一向に産駒は走らない。そこでオーナーはさらに投資をして大種牡馬イシングラシスと種付けをしようとした。
当日、イシングラシスの馬房に向かう途中、シニョリーナは1頭の平凡な種牡馬シアルローという馬の前で立ち止まってしまう。やがて2頭の馬はひしと見つめあい動かない。それを聞いたオーナーは
「お互いに愛し合っているなら素敵じゃないか」
といい、2頭の馬の愛を貫徹させることにした。
そして2頭の馬の間に産まれた牝馬はシニョリネッタと名づけられ順調に成長しすばらしい競走馬となり、1908年のイギリスダービーを制し、その2日後にオークスをもものにするという離れ業をやってのけたのだ。
そして1年後、気に染まぬ大種牡馬イシングラシスと交配させられたシニョリーナはまた牝馬を産むが未勝利のまま引退してしまう。
~サラブレッドの十戒 福浦好明著より参照~
このように不思議な出来事がありうるのだ。種牡馬として成功しなかったオグリ。もし、ホーリックスと交配していたら…。
2頭の芦毛馬からまたスーパースターが誕生していたかもしれない。
ホーリックス、オグリキャップ。天国で再会したら幸せに…。
