虎と竜の差
負けに不思議の負けなし
これは名将・ 野村克也 氏の有名な言葉である。
昨日の 阪神タイガース 対 中日ドラゴンズ 戦は、その言葉をまさに象徴する試合だった。
ドラゴンズは序盤から主導権を握った。
初回から得点を重ね、先発・マラー投手の来日初ホームランも飛び出し、一時は7-0。
誰もがドラゴンズの勝利を確信した展開だったと思う。
しかし、タイガースは諦めなかった。
7回に4得点。
8回に3得点でついに同点。
そして9回、森下選手の劇的なサヨナラホームラン。
甲子園の空気を一変させる大逆転劇となった。
この試合、ボクが気になったのは序盤のベンチの空気感だった。
ドラゴンズベンチには、どこか緩さが見えた。
勢いに乗っている時特有の高揚感とも違う。
「今日はいける」という空気が、無意識の慢心に変わっていたようにも映った。
対照的だったのが、タイガース・ 藤川球児 監督の姿勢だ。
劣勢の中でも厳しく戦っていた。
先発・茨木投手を早い回で交代。
流れを断ち切るための強いメッセージだったように感じる。
そして終盤の攻撃。
タイガースの打者陣は、それぞれが「今、何をするべきか」を理解して打席に入っていた。
繋ぐべき場面。
最低限を求める場面。
長打を狙う場面。
打席ごとの目的が非常に明確だった。
一方のドラゴンズにも終盤、追加点のチャンスはあった。
だが、打者ごとの意図が見えづらかった。
何としても1点を取りに行く執念より、どこか流れ任せに映ってしまった。
もちろん、采配だけで負けた試合ではない。
しかし、強いチームほど「状況判断」が徹底されている。
今、自分は何をするべきか。
チームとして何を優先するべきか。
その積み重ねが、終盤の1点差に現れる。
今回の逆転負けは、単なる1敗ではない。
チーム全体の意識を問い直される敗戦だったように思う。
最下位脱出へ向けて必要なのは、技術だけではない。
一人ひとりが状況を理解し、勝利への執念を共有できるかどうか。
今日からのドラゴンズの奮起に期待したい。
